令和8年度茨城県医師会勤務医学術奨励賞 受賞報告
【令和8年度茨城県医師会勤務医学術奨励賞 受賞報告】
10月18日に開催された茨城医学会総会において、当科の柳澤洋平先生、浅井玲央先生が茨城県医師会勤務医学術奨励賞を受賞しました。受賞にあたってのお二人のコメントをご紹介します。
■ 柳澤洋平先生
受賞テーマは
「つくば市における大腿骨近位部骨折疑い救急搬送に対する新輪番制度の構築とその導入効果の検証
―実態調査から、制度構築、そしてその制度における診断適中率と搬送困難事案の前後比較―」
です。
つくば市内では大腿骨近位部骨折が疑われる患者さんの搬送困難事案が多発していました。これを受け、「整形外科ネットワーク筑波」ではグループ全体の取り組みとして、「転倒後の股関節痛・歩行困難」という救急隊向けの搬送基準の整備と、茨城県・つくば市消防本部・市内医療機関と連携した新たな輪番制度の構築を進めてきました。制度導入後、市外収容率は28%から10%へ、搬送困難事案は39%から17%へといずれも有意に減少し、地域の救急搬送体制の改善につながっています。
関係の皆様のご協力に心より感謝申し上げるとともに、今後も地域の整形外科救急医療の向上に取り組んでまいります。
■ 浅井玲央先生
受賞テーマは
「腰椎分離症における偽関節化リスクスコアリングとMRIによる治療期間予測に基づく個別化治療戦略」
です。
腰椎分離症では、骨癒合を目指した保存治療が標準的に行われていますが、治療が長期化する症例や、適切な保存治療を行っても偽関節化する症例が存在します。本研究では、偽関節化リスクを予測するスコアリングシステムの構築と、MRIでの分離部の骨髄浮腫の定量的解析による治療期間の予測に取り組んでいます。これらを通じて、治療初期から患者さん一人ひとりの骨癒合の可能性や治療期間を予測し、必要に応じて低侵襲な分離部修復術も治療選択肢とする個別化治療の実現を目指しています。
日頃よりご指導、ご協力いただいている先生方、研究にご協力いただいた皆様に、心より感謝申し上げます。
当科では、今後も日々の診療を大切にしながら、臨床現場の課題を研究につなげ、その成果を患者さんや地域医療に還元できるよう、臨床・研究の両面から取り組んでまいります。


