筑波大学整形外科のご挨拶、 教授 山崎正志より皆様へのご挨拶を掲載しております。

ご挨拶

筑波大学 医学医療系 整形外科 教授 山崎 正志

筑波大学整形外科は、吉川靖三先生が初代教授に就任され、昭和50年12月12日に開設されました。以来、第2代林浩一郎教授、第3代落合直之教授と受け継がれ、私は平成24年12月1日付けで第4代の教授職を拝命いたしました。研究学園都市としてのつくばの恵まれた環境のもとで仕事ができますことを、大変光栄に存じております。

筑波大学整形外科の同門会には、現在までに180名近くの先生方が在籍され、茨城、東京、千葉をはじめ全国で、整形外科学の臨床・教育・研究に関する幅広い活動を行っています。 初代吉川靖三教授は、小児・足関節外科、骨代謝・骨系統疾患に関する研究を、第2代林教授は頚椎外科、スポーツ医学、骨関節感染症に関する研究を推進されました。第3代落合教授は腕神経叢損傷などの末梢神経障害の治療、骨髄血を使用する大腿骨頭壊死症の治療などの新しい治療分野を開拓されました。第4代となります私は、脊椎脊髄外科、その中でも頚椎胸椎のインストゥルメンテーション手術を専門としております。主な研究テーマは、脊髄損傷や圧迫性脊髄症に伴う重度脊髄障害に対する治療法の開発、脊髄再生の臨床試験、後縦靭帯骨化症の成因解明、骨折・骨癒合促進、等です。

筑波大学整形外科の同門出身の現教授には、早稲田大学スポーツ科学学術院の福林徹教授、茨城県立医療大学の和田野安良教授、筑波大学大体育系の宮川俊平教授、東京医科大学茨城医療センター・地域医療人材育成寄付講座の石井朝夫教授、霞ヶ浦医療センター・土浦市地域臨床ステーションの西浦康正教授、早稲田大学スポーツ科学学術院の金岡恒治教授、などがおられ、ご活躍されています。

整形外科学は、運動器の機能と形態の維持・再建をめざす臨床医学であり、脊椎、上肢、下肢などの広範な診療領域を扱います。高齢化型社会をむかえた我国においては、整形外科への期待はますます大きくなっています。現在、筑波大学整形外科には、脊椎、股関節、膝関節・スポーツ医学、上肢・手外科、足の外科、小児整形外科、リウマチ、骨代謝、リハビリテーションなどの診療・研究グループがあります。教育関連施設は、スポーツ医学、手外科、脊椎外科、関節外科、救急医療、リハビリテーションなどそれぞれに特色をもった約30におよぶ大学、施設、病院があり、機能的なローテーションにより、プライマリケアから最先端の臨床・研究までを学ぶことができます。

筑波大学整形外科は、創設から38年が経過し、整形外科全領域にわたる研究・教育・診療体制が整備されてまいりました。大学の周囲には、日本の最先端科学技術のノウハウを有する研究機関が多数あり、それらの施設と連携して様々な分野での臨床・研究を進めています。今後は、この研究体制をさらに充実発展させ、皆が協力しつつ、自由に仕事ができる環境を作って行きたいと思います。やる気があり、そして豊かな感性をもっている若い先生方の入局を期待しています。皆で一緒に、新しい整形外科を作って行きましょう。

(平成25年1月)